ALCS 学修行動比較調査資料


ALCS学修行動比較調査の結果の公開資料、学会・研究会報告等、関連資料を掲載します。( )番号は項目として新しいものほど大きく、先に表示しているため、降順になっています。一部のブラウザでは結果の表や図が表示されないことがあります。そのようなケースであると思われた場合、ブラウザを変えてみてください(最新のSafariやChromeでは表示が確認されています)。







(9)ALCS2018  科目成績GPを用いた卒業時コンピテンシー評価の試み, 日本医学教育学会大会2019, 伏谷建造・宮本修・栗林太・和田秀穂・森谷卓也・砂田芳秀(川崎医科大学)




(8)ALCS208 全体集計値


  ALCS学修行動比較調査2018年度実施の全設問についての16大学1、3学年別集計値(各選択肢の度数と百分率、時間数は一日あたりの平均値で単位は「分」)一覧です。なお、この時間数平均値の算定方法は、より適切な方法を求めた結果至った方法でおこなっており、すでに各大学に配布済みの*atファイルのそれとは異なっています。どのように異なっているかは後日説明します。とりあえずこの時間に関する設問結果についてはこの値との直接比較は控えてください。



(7)ALCS2017 ALCS学修行動調査による教育成果の把握,日本医学教育学会2018, 伏谷建造・栗林太・森谷卓也・ 砂田芳秀(川崎医科大学)




(6)ALCS2017 学修行動調査における回収率とその結果の関係, MJIR2018報告資料, 東 京一(教学比較IRコモンズ)


 当該PDFファイル・ダウンロード



(5)ALCS2017 学んでいる時間を日または週あたりで尋ねる場合の相違


 ALCSでは授業外の学修(授業に関する学びの)時間や学習(授業にかかわらない学びの)時間、あるいはアルバイトの従事時間を尋ねる場合、これを週あたり、または日あたりのどちらでも回答者が回答しやすいほうで時間と分を記述する方法で回答を求めてきました。それぞれの行為の性質や個人差に鑑みた対応でした。調査をシンプルにするにはどちらかにすべきですが、それは結果を検討したうえで決めることにしました。

 ここに2016〜17年度つづけて回答を得た大学の結果を示します。結論をいえば、授業外の学修時間や授業に関連しない学習時間については、日あたり、週あたり、ほぼ半々で、先に示された方にやや多く回答することがわかりました。どちらかがはっきり回答しやすい、ということはありませんでした。そこでこれら2設問は今後も2とおりの回答の仕方を用意し、回答者の選択に任せることにしました。

 他方、アルバイトなど有給の仕事をしている時間数については『週あたり」での回答が選択肢の呈示順にかかわらず多いことがわかりました。そこでこれについては今後、『週あたり」のみで尋ねていくことにしました。



(4)ALCS2017 全体集計値


  ALCS学修行動比較調査2017年度実施の全設問についての12大学1、3学年別集計値(各選択肢の度数と百分率、時間数は一日あたりの平均値で単位は「分」)一覧です。



(3)ALCS2016 全体集計値


  ALCS学修行動比較調査2016年度実施の全設問についての5大学1、3学年別集計値(各選択肢の度数と百分率、時間数は一日あたりの平均値で単位は「分」)一覧です。

 なお、女子のみの値である点を気にされる向きもあるかもしれません。2016年度調査では女子大の数が多く、女子の標本比率が大となりました。そこで中途半端に男子を加えることを避け、女子のみとしました。

 この調査で回答結果に男女差がどの程度あらわれているかは、このあとの節(2)であきらかにします。



(2)ALCS2016 女子だけのデータにおける代表性


 (3)に示したALCS学修行動比較調査2016の全体集計値は、すでに述べた理由から女子だけからなる回答でできています。それで果たして全体をあらわしうるのか、共学のほとんどの大学やその所属集団に比べるときに基標としての適性はあるのか、気になるところでしょう。果たして現代の大学生においてその学修行動や意識に明白な性差はどのような設問に、どの程度あらわれるのでしょうか。

 こうした疑問に答えるうえで、幸いALCS学修行動比較調査2016では調査対象の学年が2年生であったことから、この全体集計に加えなかった岡山大学の調査結果がありました。同大のサンプルは男女を十分に含んだサイズでしたから、回答に関する性差の比較検証が可能でした。そこで「この検証に活かせるなら」と、同大からの許可をいただき、同大データの男女間で、当調査の設問のどこに、どの程度の有意な差異が生じたかを検証しました。

 同大の調査は2016年度は2度、同じ5学部で反復しておこなわれました。その各学部について男女双方または片方の標本数が30を下回った場合は性別データとしての代表性が弱まることが懸念されたため、その学部のデータはこの検証から除外しました。その結果、1回目の調査は3、2回目の調査では1学部のデータが使えることがわかりました。しかし集計にあたり、2回目調査の1学部は1回目でも調査をしていたため、この2回目調査のデータを集計に加えるとその学部の回答傾向が強調されるおそれが生じました。そこで1回目調査の3学部のデータのみを集計に用いることにし、フェイスシート設問の一部を含む時間数記入と多肢選択回答の全82設問について性別間でMann-Whitney U検定、Cliffのdによる効果量、およびWelchのt検定とHedgesの効果量gを求めました。ALCS調査は6~7項の多肢選択回答で構成されています。そのため統計検定では特定の分布形態を前提としないノンパラメトリックのU検定を選定しました。ただし、U検定は比較対象の分散の差異が大きくなると検定力が低下するため、バラメトリックながら比較対象の分布や分散の多様性に対して頑強性の高いWelch検定を併用し、両検定と効果量の重なりに解を求めました。3学部各々の(男、女)標本数は(51、39)、(107、34)、(49、68)で、全体では男性207、女性141サンプル間での比較となりました。

 結果、p<.001の有意水準でU検定で18設問、Welch検定で20設問に有意差が認められました(下表)。しかし、これらは全体に効果量が小さく、その上位部分の設問の効果量を降順にグラフでつなげてみると(下図)、U検定におけるCliffのdによる効果量では最大値の0.336から上位3設問が同様の有意差であった他設問と異質で明白な差異を示していると判断できました。これらほど異質とはいえませんが、追加すればさらに2設問を加えてみることもできそうです。また、Welch検定における効果量Hedgesのgでは最大値0.613から2設問が同様の有意差であった他設問と異質で明白な差異を示していると判断できました。同様に追加するとすればさらに2設問を加えてみることもできそうです。


 両者で重なりをみた設問は、

「【経験】提出期限までに授業の課題を完成できなかったこと(女性が男性より、完成できなかった経験がより少ないとしている)」

「【満足】ラーニング・コモンズやそれに類した学修支援施設の使い勝手(女性が男性より、より満足している)」

でした。

 これを有意性の判然性を緩めてみた前者5、後者4設問での重なりで探ると、

「【満足】情報関連の設備、その施設やサービス(女性が男性より、より満足している)」

「【満足】実験・実習室や能動的な学修のための設備や機器(同)」

を加えてみることもできそうです。

 また、Cliffのdでは捕捉された、

「【経験】大学内外で勉強会、研究会、講演会に参加したこと(女性が男性よりも参加度が高いとしている)」

もHedgesのgでは5位でこの基準では境界にあったことから、加えてみることもできそうです。

 こうして回答に性差の有意差がはっきりと認められた設問は2つ、これについで2〜3設問にも性差ありと認めることができそうであることがわかりました。

 しかも、これらのいずれについても男子学生に比べ女子学生が肯定的に反応しているかたちで差異が認められています。設問類型では経験の程度と満足感に差異がみられましたが、成長感や希望については差異が認められませんでした。満足感の3設問はいずれも施設関連に関するそれであり、これは「使い勝手」という文言が示すように、あるいはその種の査定意識ないし行動に基本的な性差があって、それが女性の「お眼鏡にかなう」かたちで評価されたということかもしれません。そうであるとすれば、この調査の年度前に全学対応のラーニングコモンズの設置をおこなった岡山大学固有の事情がこの結果に影響を及ぼした可能性もありえます。

 ここでの目的に立ち返れば、ALCS学修行動比較調査2016の全体集計値を、それとして比較参照する場合はこれら2〜5設問(全設問数の2〜6%)について、値はすこし肯定的な方向に振れているとみる必要があるといえそうです。しかし、残りの94〜98%設問については全体の結果として扱ううえで、女子のみのデータであることによる特殊性はないとみてよさそうです。


(1)ALCS2016 学びの時間計測 日あたり回答と週あたり回答


 学修行動比較調査で注目の焦点になる設問の一群に、各種の学びに費やしている時間数があります。とくにわが国では単位制度の実質化という課題に関連して、ほとんどの大学で学生の履修登録数を制約してまで授業出席時間を減らし、空いた分、授業外の学び時間の増大を目論む施策をとっています。したがって、その効果のほどを検証しなければ、その無理強いを説明できないわけです。

 ところで、海外の学修行動比較調査では週あたりで学びの時間を問う調査が多く、それに倣ってか、国内のそれも週あたりでこれを問うケースが多いようです。しかし、ランチにどのくらいの時間を費やすか、睡眠は? といった問いに応える場合、週あたりで尋ねられるより一日あたりで問われるほうが応えやすいし、間違いも減るでしょう。学びに費やす時間はどうなのでしょう。

 その検証も兼ねて、ALCS調査では「授業に出席している時間」「授業時間外に授業に関連したことがらを学修している時間」「授業時間外に授業に関連しないことがらを学習している時間」「アルバイトなど有給の仕事に従事している時間」の4設問については、少なくとも当初3年間は「日あたり」と「週あたり」の2種の回答様式を設定し、応えやすい方で(時間数の記述による)回答を得るようにしています。

 ここにその検証の簡単な中間報告として、2016年度にお茶の水女子大学の1年生について実施した同調査の結果をあきらかにします。

 授業外の学びの時間は「日あたり」で回答する学生の方が明白に多く、学修時間ではとくに顕著。それに対してバイト等の勤労時間については「週あたり」での回答の方が多いことがはっきりしました。また、より重要なこととして日あたりの回答時間は週あたりの回答時間を週7日として7で除すると、設問によらず日あたりの回答時間よりも明確に短くなるという事実も判明しました。むろん、日あたりで回答と週あたり回答の回答者は異なりますから、この差異を問い方の違いだけに帰することはできません。しかし、「週あたりの学びの時間数がとても少ない」というのは現代のわが国の大学生の問題といわれることが多いですが、それは週を7日でみていることで一層極端に短くしてみてしまっているおそれがあるとはいえそうです。では、週は何日で換算すれば日あたりに相当するのか。暫定解は3〜4日です。むろん、この結果はこの後、複数の大学でさらにあらたな年度でのデータも加えて検証を重ね、より妥当性の高い結論を出す必要があります。そして最適な設問の仕方を探ります。


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